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人生100年時代に個人が300万円で会社を買う秘策

2021.08.07 (土)

以前おこないました垰本セミナーの内容をご紹介します。

タイトルは「個人が300万円で会社を買える!~老後の資金不安は「会社」を買って払拭する~」になります。

■本セミナーが想定する対象者

  • 予想される年金支給額や貯金だけでは、老後の生活が不安だと思われている皆さま
  • ・今までの知見や経験を活かして、生涯現役でバリバリ仕事をしたいと思われている皆さま
  • ・会社(事業)を買うことに興味はあるが、会社(事業)を買うための具体的な手続きはもとより、経営者としての経験がなく、様々な不安が尽きない皆さま
  • ・会社の事業を多角化するための手段として、会社(事業)を買収したいとお考えの経営者の皆さま


■ コンセプト/メッセージ

地域や業種業態を問わず、後継者が不在で、止むを得ず会社や事業の継続を断念し、実を切られる思いで会社を清算することで、長年苦楽を共にした従業員を解雇し、大切なお客さまや地域に後ろめたい思いを感じた上に、会社清算で思わぬコストが発生し、結果、手元に資金が殆ど残らず苦しんでおられる経営者さまが多いように見受けられます。

両親と数名の従業員が営む小さな貸衣装の倅に生まれ、大学時代のバイト先も社員数名のビルメンテナンス会社と、中小零細企業の「ヒトモノカネ」に苦労する現実を、長年身近に見て参りました。
遡ること24年、大学を卒業しベンチャーキャピタル(投資会社)に入社した私は、資金繰りに苦労する中小零細企業を融資ではなく投資で応援できると意気込んでおりましたが、現実は甘くなく、実際に投資をする対象会社は、株式上場を直前に控えた既に基盤の確立している会社ばかりでした。
理想と現実の狭間のなか、6年ほどベンチャーキャピタルで仕事をした後、中小零細企業の現場で実際に仕事を経験しなければ、中小零細企業が本当に望む支援とは何か?を知ることは出来ないと考え、会社設立後3年目の小さなIT会社に転職し、全てを社長が自分でやらなければ会社が廻らない現実を目の当たりにして、私自身も社長と二人三脚で東奔西走する日々を過ごしました。

その後、小さなコインパーキングの運営会社を経て、中小零細企業に寄り添うサポート業務をするべく、私は2006年に独立しましたが、直後にライブドアショック、J-SOXショック、ダメ押しでリーマンショックという3重苦に見舞われ、私のサポートしていたお客さまも私も一気に苦境に陥りました。

当時、中小零細企業の廃業を防ぐための事業承継は未経験だった私に、中小零細企業の皆さまから会社を廃業したくない、事業を誰かに引き継いでもらえないか?というご相談が寄せられました。よくお話を聞いてみると、皆さまにとって身近な取引銀行や、会社の買収や合併を仲介する専門業者にとって、中小零細企業の事業承継は「割に合わない」ビジネスであり、中小零細企業の皆さまがすがる思いでご相談されても、銀行は貸金の返済を迫るばかり、仲介業者は「今は買い手がいない」と体よく断るばかりで、中小零細企業が真の意味で相談できる相手がいないことに気づきました。
私のところには、飲食店を1店舗だけ経営されていた個人事業主の方も店舗(事業)の売却のご相談に来てくださいました。こちらのオーナー様、ご相談に来られた時はリーマンショックのあおりをモロに受けて、来店客は日を追うごとに減っていっており、店舗をオープンする時にニコニコ顔で設備資金を貸してくれた銀行からは毎日のように返済を迫られており、身体も心も追い詰められていた状況でした。

残された時間は2か月ほどしかありませんでしたが、早速に私は買い手探しに動きだしました。オーナー様との事前の打ち合わせで、世の中が非常事態でもあり、欲をかくと買い手にそっぽを向かれる恐れがあるので、銀行からの借入金を全額返済できる金額を売却価格の最低目標にすること、お互いに余計なコストが発生しないよう、居抜き(店舗の設備などを変えたり廃棄したりしないで、そのまま引き継いでもらうこと)で引き受けてもらう、この2つを条件にすることを決め、それをアピールする資料を作ってアチコチに打診しました。

その結果、複数の飲食店を経営されている企業様(オーナー企業)に、私達がお示しした条件に僅かですが上乗せされた金額で買っていただくことが出来ました。

売却された方は借金が残ることもなく、廃業を選んだら発生していた原状回復の費用なども負担せずに済みました。

このように徒手空拳・無我夢中でお客さまのご相談に乗っていたなかで、中小零細企業が廃業をせずに事業(会社)の引き継ぎを成功に導くためのプロセスは、私が体験した中小零細企業の「株式上場」を実現するためのプロセスや「ツボ」と同じだということに気付きました。

この経験を活かし、身近に後月がおらずお困りの中小零細企業の皆さまと、第二の人生を自ら経営者となって歩まれたいと考えておられる方々や、会社の基盤をより盤石にされたいとお考えの皆さまの橋渡しをすることで、結果として両者がハッピーになることを目標に、現在に至るまで、中小零細企業専門のご支援を行っております。

M&Aや事業承継は「大企業・大組織」だけのモノではありません!

上記を確信した私は、今まで自分がやってきた事、とってきた行動を体系的にまとめ、どうすれば中小零細企業の事業承継が成功するのかというノウハウにまとめ上げる事に成功しました。

売上を始めとする企業規模の大小が事業承継の成否を左右するというのは、実のところはそれらをサポートする事業者の「都合」に他なりません。大手の銀行や証券会社、合併や買収・事業承継の仲介事業者は、一般的に皆様方より規模が大きい会社ばかりです。
ゆえに自らの「コスト」を賄うためには、一定額以上の手数料や報酬を見込めない案件に関しては、中身を見ることもなく、体よく引き受けることを断ってしまうのです。

私どもに実際にご相談いただいたお客さまは「1店舗しか運営していない。年商1,000万円に満たない飲食店」を始めとして、その他の業種業態でも、売上は最大でも3億円未満、利益も僅少の会社が殆どですが、ご相談いただいたお客さまの約70%が事業承継を実現しました。

本講座では、先ず会社や事業を「買う」とはどういうことかという原点を知って頂くことからスタートし、次に会社や事業を買う際に必要な関係者となる、金融機関や仲介業者の本音を正しく知って頂き、皆さまにとって失敗が許されないサポーターを選ぶポイントをお伝えいたします。

そして、会社や事業を買収する際における相手方との交渉をスムーズに進めていくために必要なこと、最も大切な「価格(価値)」をどのように考えればよいのか、大変な作業や交渉は専門家や専門の事業者に委ねてもかまいませんが「丸投げ」で「知らない」では、後で取り返しのつかない後悔をすることになります。

最後に、最も大切な「お金」の部分で後悔しないためのノウハウや知識を、ぜひ皆さまにお持ち帰りいただきたいと考えております。

■セミナー内容
1.会社(事業)買収の一部始終(プロセス)を「知る」。
・その1:買収予算(資金)の確保。これがなければ始まらない。
  自己資金が基本だが、買収資金を銀行が貸してくれる可能性も。

・その2:どんな会社、どんな事業を買うべきか。
・「勝手知る分野」であれば、1店舗だけ、1人社長の会社(事業)「買う」のもアリ 
・「勝手知らない分野」の時は「無我夢中になれるか?」「人材も引き継ぐ」が絶対条件

・その3:売るヒト(会社)との打ち合わせで大事なコト。
     ・カネを払うのは私なのだ!オーラを出さない。
     ・相手の言い分や思いを、しっかり聞いた方が良い理由。
      ~買った後も、社長の協力を得られる方が、やっぱりお得~
      ~社長の不満や怒りは、社員やお客さんに伝わってしまう~

・その4:売るヒト(会社)への理解を深めるために「調べる」。
     ・細かいことは、専門家(会計士や弁護士など)に調べてもらう。
     ・自分でも最低限「ここだけ」はチェックしよう。
      ~決算書は、最低3期分、エクセルなどを使って、ひと目で見る~
      ~売掛金が実際にオカネになるのは「いつ?」を確認する~
      ~買掛金や未払金を「いつ?」支払うかを確認する~
      ~オカネが入金されるまでが長く、支払いまでの時間が短いと、資金繰りが・・・~

・その4:会社や事業を買う「値段(価格)」ってどうやって決めるの?
・会社の「資本金」や会社の貯金である「剰余金」が、買う値段(価格)ではない。
・値段(価格)を決めるうえでのポイントは、会社がオカネを「稼ぐチカラ」。

・その5:売るヒト(会社)との最終契約(完了)までの道のり。
・ステップ1:お互いが合意してきた内容について基本合意契約」を結ぶ。
     ・ステップ2:買うヒト(会社)が、最後の確認作業(調査)を行う。
     ・ステップ3:「最終契約」を結ぶ。
     ・ステップ4:会社の株式を相手から受け取り(名義変更)、同時に相手に代金を支払う。

2.本当の始まりは、会社や事業を買った後。
・前の経営者(社長)に、残ってもらうべきか?否か?
・今までの事業以外の、新しい事業を始める時に気をつけるコト。
・経営者になるのが初めて!の時に、最低限確保しておくべき相談相手は誰か?

3.会社(事業)買収の「事例」を「知る」。
  ・私が手掛けた事例~その1~
   IT事業を営む会社が、同業他社を買収。
   物理的な遠さ(東京と北海道)もあって、買収後にコミュニケーションが滞りがちなうえに
   親会社が性急に、子会社に親会社のルールを導入した結果、社員も顧客も流失して、結局手放すことになり、売却損失が発生。

  ・私が手掛けた事例~その2~
   北海道を始めとする雪国で売れまくった「両面発電太陽電池」。
   しかし、価格競争が厳しく、日本での生産を撤退。海外に活路を見出すことに。
   販売したお客さまへの「アフターサービス事業」を、新会社を設立して私が引き受けた。
   身軽にスタートしたはずだったが、そうは問屋が卸さず悶絶の日々。
   うちには責任も義務もない、引き継いだ事業以外の「支払い」を迫られて断るを繰り返す羽目に。
   うちが事業を引き継いだ会社が突然の倒産。出向で受け入れていた社員を採用することになり
   一気に固定費がアップ。
   これら一連の対応に半年近く追われる一方、事業はおぼつかずにキャッシュだけが減っていった。

   
  ・私が手掛けた事例~その3~
   海外にある親会社が買収され、日本の会社にも新しい社長がやってきた。
   ところが、日本の会社の状況を買った方がよく調べておらず。
   そこに付け込まれ、新しい社長を襲った通らばリーチの「口約束の嵐」が襲来。
   前の社長が約束したといって、紹介料を払えだの、機械を格安で貸せだのという対応に追われ
   その始末をつけるのに、3か月が空しく過ぎていった。

 実績
【直近の実績】
立教大学経済学部 企画講座 非常勤講師、インストラクター/NTT管理職研修 講師/立教大学大学院独立研究科(ビジネスデザイン研究科) 非常勤講師/東京都新宿区主催 起業家講座 講師/北海道経済部 環境エネルギー関連企業向け アドバイザー/札幌市町内会活動 担い手育成塾 講師/コメンテーター/札幌市町内会活動支援シンポジウム 基調講演/コメンテーター/札幌市町内会未来塾 講師/コメンテーター/(一社)北海道商工会議所連合会環境産業支援講習 講師/天草バージョンアップサミット ゲストスピーカー

【メディア掲載】日本経済新聞・日経産業新聞・月刊コロンブスほか

■ プロフィール

垰本 泰隆(たおもと やすたか)

ベンチャーキャピタル(中小企業への投資会社)から転身し、IT事業と駐車場運営の中小企業で6年間、オーナー社長と二人三脚であらゆる仕事を共に行うなど、現在に至るまで25年にわたり、一貫して中小企業の事業承継(M&A)や企業再生などで、社長と共に現場で歩むことをモットーに、「伴走者」として、あるいは「交渉代理人」といった実務支援を行っている「実践型」「ハンズオン型」のコンサルタント。

ベンチャーキャピタル在籍中に3社の中小企業の株式上場と事業承継を実現。その後、勤務した中小企業は2社ともに株式上場を果たした。

これらの経験をもとに、2006年に中小企業の事業承継・M&Aを中心的に行うコンサルタントとして独立。ご支援した企業や事業主には、個人事業主で1店舗のみ運営されていた飲食店経営者を始め、中小企業の現場での支援に活動を特化。現在までに150社を超える中小企業の支援実績がある。

簡潔にまとめた参考動画 はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=pzsFwHXk7U8